住宅ローンの借り換えは、金利が下がり返済額が軽減されるなどメリットの多いものですが、
気になるのは住宅ローン控除がどうなるかということです。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、10年にわたって年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除される、とてもお得な制度です。
ここでは、住宅ローンを借り換えたあとに、住宅ローン控除がどうなるか解説します。
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住宅ローン借り換えで住宅ローン控除はどうなる?
住宅ローンの借り換えをしても住宅ローン控除は利用できます。
ただし、一定の条件があるので、借り換えを検討するさいには注意が必要です。
条件は2つあります。順にみていきます。
①当初の住宅ローンを返済する
住宅ローンの借り換えで借入した資金で、当初の住宅ローンを返済する必要があります。
これは、当たり前であり、証明することも簡単なので特に問題ない条件になります。
②住宅ローン控除の条件に当てはまる
借り換え後も当初と同じように、住宅ローン控除の条件に当てはまる必要があります。
・新築又は取得の日から6か月以内に居住すること
・適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること
・控除を受ける年分の合計所得金額が、3000万円以下であること
・ローンの返済期間が10年以上あること
主な条件は上記のとおりです。
詳細の条件については、国税庁(住宅借入金等特別控除)で確認できます。
特に注意するべき点は、返済期間が10年以上の条件です。
ローンの返済期間が10年を切ってしまうと控除の対象外になります。
借り換えで期間を短縮する場合は、控除が最後まで受けられるか確認する必要があります。
借り換えの諸費用を借入金額に入れた場合の計算
住宅ローンの借り換えには、諸費用が必要になります。
この諸費用を自己資金ではなく、借入金額に入れた場合は、年末のローン残高が借り換え前よりも増えることになります。
この場合は、以下の計算式が適用されるので注意が必要です。
年末残高×借り換え前の残高÷借り換え時の諸費用も含めた残高
(事例)
借り換え前 1800万円 借入金額 2000万円(諸費用200万円込み)
年末の残高 1900万円
1900万円×1800万円÷2000万円=1710万円
住宅ローン控除を計算する年末のローン残高は、1710万円となります。
まとめ
住宅ローン借り換え後の住宅ローン控除について解説しました。
注意するべき点は、借り換え時に自己資金を投入して、期間を大幅に短縮した場合は、
住宅ローン控除が最後まで利用できるかどうか確認することです。
住宅ローン控除は、所得控除ではなく、税額控除でとてもメリットが大きい制度なので、
なるべく最後まで利用するべきです。